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2011年11月 8日 (火)

2011年11月8日 山元町派遣隊日記:山元町で出会った偉人達 その3

 今日まで帰省中なので、山元で出会った偉人達をご紹介しています。

 第一回目の青田和夫さんはこちら。第二回目の下道一徳さんはこちら

 第三回目の今日は、山元町災害FM放送りんごラジオの高橋厚さんです。元東北放送のアナウンサーで、震災後は山元町の情報を発信する災害FM放送「りんごラジオ」を作られたすごい方です。

 JSIS- BJK災害情報支援チームは4月に山元町に来た当初、避難所へのPC設置に加えてりんごラジオのブログを作るお手伝いをさせていただきました。ITによる支援の形を模索していたJSIS-BJK情報支援チームにとって、当時あまり外に出なかった山元町の情報を、町外にむけて発信するためのきっかけを作ることが重要に思えたからです。

 りんごラジオのお手伝いをしている頃の様子です。旧庁舎がなつかしいです。

Photo

 5月より山元町の被災写真を救済するプロジェクト「思い出サルベージ」がスタートした後も、折に触れてお世話になっています。放送の中で思い出サルベージに関わる情報も取り上げてくださいますし、ふるさと伝承館にもよく足を運んでくださいます。

Dsc_9887

 今月から導入された検索方法である顔画像認識を試している高橋さんです。

 思い出サルベージを進めていくにあたっても、4月にりんごラジオのお手伝いをしていたときの経験は活かされています。当時の大変な状況にあって、様々な工夫をしながら山元町のための放送を続ける高橋厚さんとりんごラジオスタッフのみなさんの姿は忘れられないものとなりました。

 そんな高橋厚さんは先日「ATP賞テレビグランプリ2011」の特別賞を受賞されました。これからも高橋さんのご活躍とりんごラジオの発展をおいのりします。

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 ところで、りんごラジオのお手伝いをさせていただいたことが今に活かされていることが実はもう一つあります。りんごラジオのブログ作りは、山元町の思い出を救う「思い出サルベージ」を始めようとしたきっかけの一つでもありました。

 りんごラジオのブログを作成するとき「どんなブログにしたいですか?」と高橋さんにお聞きしたときに真っ先にあがったのが、ブログの一番上の部分に山元町の写真を載せることでした。

20110325_dsc00426

 今でもりんごラジオのブログのトップを飾っている写真です。これは高橋さんが震災直後に撮影したものです。かつて町があったはずの場所、見えなかったはずの海、そこに昇る朝日。ブログに常に表示されるようにしてほしいと渡されたのは、そんな衝撃的な写真でした。

 写真の内容だけではなく、最上部に写真を固定するという要請にもとても驚きました。ブログというのは日々のことを記すものなのですから、その一番上には一番新しい記事を置くのが通常です。

 いちばん初めは、同じ写真を載せ続けることが、日々更新するものであるはずのブログを見づらいものにしてしまうのではないかと懸念を抱きました。しかしその後、りんごラジオブログのそんな構造が「震災直後の被災地においては、そもそも日々が更新されていくために他に必要なものがある」ということを示しているのではないかと思い直しました。

 震災前後の記憶を揺さぶる写真をいつでもトップに残す。りんごラジオのブログの構造は象徴的です。

 ―新しい日々は、被災の前後にまたがる「思い出」が支えとなって初めて更新されていく―

 被災地山元町におけるITを向けるべき矛先は、当初想定していた情報検索(現在のための)や情報発信(未来に向けた)であったというよりは、一見すると過去に向かっている「思い出」の再生だったのではないか。りんごラジオのブログ作りは、被災地において明日に向かうために「思い出」が必要とされることを教えてくれました。りんごラジオもまた、思い出サルベージの出発点の一つです。

現地派遣隊 溝口@京都

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